「粉粒体の物理学」

−砂と粒と粒子の世界への誘い−

J.デュラン 著  中西  秀・奥村 剛  訳

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古書

   目次


  イントロダクション
  
  相互作用する粉粒体

  流動化,圧密緩和,分裂

  流れる粉粒体

  混合と偏析

  数値シミュレーション



さらさらと流れる砂はあたかも液体のようだが、同じ砂からできた大地は動かぬこと固体の如く、それをしっかりと踏みしめて立つこともできる。粉粒体は液体とも固体とも、あるいは気体ともつかぬ不思議な振る舞いをする。歴史を紐解けば、クーロン、ファラデー、レイリーなど、多くの物理学の巨匠達が粉粒体の不思議に魅せられてきた。

  本書は、初等的な力学から解き起こし、最近の研究の成果までを初学者にも分かるようにまとめられている。物理学の立場から書かれた粉粒体の教科書としては、(驚くべきことに)本書は殆んど唯一のものであろう。

  記述されている現象は、サイロに貯蔵された穀物に働く応力、振動板上の粉体表面に現れるパタン、斜面を流れる粒子の雪崩運動、ブラジルナッツの偏析など身近で直観的であるにも関わらず、単純には理解できないもので、そのメカニズムに潜む謎を示して行く。多くの実験結果とともに、数値実験の手法や理論的なモデルについても詳しく解説している。

  学部学生から、これから粉粒体の分野に進もうという研究者まで、幅広い読者に勧める。

 

ISBN 978-4-8427-0300-8

品切