本書は、超伝導のBCS理論以前に既にそのエネルギーギャップの存在を実証したM.Tinkhamが、名著として評価の高い「Introduction
to Superconductivity」の初版を画期的に改訂増補したものである。この上巻においては初めに超伝導研究の歴史的展開から、BCS理論、GL理論が著者独自の物理的考察で明快に説明されている。また最近の応用に関連する第U種超伝導体の磁気的性質についても解説がある。さらに新たな章として、ジョセフソン効果の基礎と応用が著者の研究室活動を基にして手際よくまとめられている。とくに傾斜洗濯板モデルや、ジョセフソン素子配列網の特性などユニークな内容であり、超伝導の新分野に関心のある学生、研究者、技術者にとって待望の書と言えよう。
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