不均質な構造の物質は、その誘電率が測定周波数に応じて大きく変わる。この測定結果を、本書に述べる理論解析手順に従って解析すると、その物質の不均質構造のいろいろな特徴が明らかになる。
このような手法を工業製品、生物体などに適用すると、壊さずに、そのままで、それぞれの内部構造、およびその時間変化を知ることができる。本書はこのような物性検知法の解説書である。すなわち、誘電測定の基礎概念から易しく説明し、個々の工業生産物や生物細胞などについて、処理解析の技法、結果の実用的解釈の仕方の実際例などを初心者にも理解できるよう解説している。
化学、工業生産の技術分野に関わりのあるすべての技術者・研究者には待望の書といえる。
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