このたびの第3版では、一般化線形回帰を中心とした章を加えることでノンパラメトリック回帰に対するより広がりのある理解を可能にすることを目指している。また、収録するS-Plusオブジェクトを、S-Plus
for Windows 7.0j に対応するように修正した。しかし、S-Plus と Rの使い方に関する文献は急速に増えているので、本書の引用文献がそれに追従してもすぐに古びたものになることが避けられないと考えて、インターネット上における記事にその紹介の任を譲ることとした。
類書の多くは、回帰分析に関する様々な事項を基本的なものから発展的なものへの順で列挙している。その際、それぞれの概念を生み出した目的の違いやそれらの間の連関については初学者の手に余るという理由からか重視されていない。それに対して、本書は、予測を目的とする回帰の実現のための手法の理解と習熟を中心にした視点から内容を取捨選択し、方法や概念の間の関連にも注意を払いながら、網羅的であることより思考の流れが継続していることに重きを置いて論を進めた。一般化線形回帰の章においてもこの点を貫徹した。そのため、一般化線形回帰への入門を図る文献が増える中にあっても、独自の存在価値を主張できるものになったと思う。従来からの章と合わせてその真価を問いたい。
(第3版へのまえがきより)
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