中 性 子 光 学

−理論による量子力学の展開−

ウラジミール・イグナトビッチ 著  宇津呂雄彦 訳

ホーム
出版
  • 物理学叢書
  • 医系の物理
  • 数学叢書
  • 単 行 本
  • P O D 版
  • 古書
  • 古書案内
  • 在庫目録

  •          目   次

       
    1. 第1章 基礎方程式
    2. 第2章 スカラー粒子の一次元構造による散乱
    3. 第3章 スピンを伴う中性子の一次元構造による散乱
    4. 第4章 三次元周期的媒質における動力学的回折
    5. 第5章 不規則な媒質.非干渉性及び小角散乱
    6. 第6章 散乱理論における矛盾及び量子力学についての考察




    【内容見本】



     本書は, 原著者が中性子光学について初めて編み出した独創的な解析手法の基本公式から応用例までを収めており, 中性子物理学, 光学及び固体物理学等の分野の研究者や研究を志す者にとって有用な参考書あるいは教科書となろう. 例えば, 本書の新しい解析手法を適用することにより, 従来の手法では精密な解析が困難であった複雑な体系による中性子スピン反転などの現象の厳密な解析が可能となる. 折りしも我が国の大型陽子加速器計画J-PARCの高性能パルス中性子実験施設が稼動を始めたところであり, 本書は先端的かつ独創的な中性子分光に有用な基礎理論と解析手法を提供するであろう.
     本書の内容構成は, まずスピンの作用を考えない場合の中性子の多層膜鏡による反射と透過から始めて, 次にスピンの作用を厳密に取り扱った解析へと進む. そこでは中性子スピンの非定常的磁場との相互作用の解析結果も示される. 続いて, 媒質の構造が三次元周期的体系の場合の動力学的回折を論じ, さらに不規則な媒質による弾性散乱及び中性子アルベドの新しい解析を述べる. 最後の章では, 現在の標準的な散乱理論におけるいくつかの不整合な点を指摘した後, それらを解決する一つの道を提案する.
     なお, 既刊の本書姉妹編:「中性子光学ー実験による量子力学の探究と応用」と併せると中性子光学に関する理論と実験両面の知見の修得及び応用に役立つであろう.


      


    ISBN 978-4-8427-0349-7

    定価 (本体3,600円+税)