本書は、Condensed Matter Field Theoryの邦訳である。著者であるA.AltlandとB.Simonsの2人はメゾスコピック系や乱れた電子系などの研究で知られる物性研究者である。
いまや凝縮系物理の研究に必須となった場の理論について、基礎の習得から先端的な問題の取り扱いまでを網羅した、実践的な性格の教科書となっている。
凝縮系物理学を志す大学院生を研究の最前線へと導く本書第1版を大幅に拡張し,第2版として刊行.
改訂の最大の特徴は,非平衡現象の物理を扱う2つの章が追加されたことにある.
これらの章には,伝統的必須項目から,材料物性・デバイス工学でも必須となったナノ領域の電子伝導等の現代的題材までが幅広く含まれる.これにより,本書は基礎理学にとどまらず,応用までの広範な分野の研究者にとっても実践的な文献となった.
第2版は上下2巻からなる.
下巻では,繰り込み群と近年著しい発展を見せるトポロジカルな研究手法の解説に続いて,非平衡系に対する古典理論と量子理論が第2版では詳説されている。
類書にないユニークな内容は大学院生の他、第一線の研究者にも有用な示唆を与える。
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